カルタグラ』コンプ


評価:★★★★☆ オススメしてくれた某氏。テンキュー!
"嫉妬・三角関係・修羅場"が見事なまでに散りばめられた"妄執と狂気に至る愛"をモチーフにしたラブストーリーの傑作。「杉菜水姫」氏の原画、「simo」氏による残酷さと美麗さを兼ねそろえたグラフィック、「LittleWing」によるサウンド、演出を含めた退廃的な雰囲気と世界観、とてもデビュー作品とは思えないほど洗練されているシステムやインターフェイスなど、過去にプレイした良作名作と謳われる作品達と比較しても遜色は無く、最高級のクオリティと言い切ってもよいほどのレベルかと。幾度と無く心を奪われそうになってしまうほど美しいと思えた作品でした。故に些細な瑕が気になりました。
主人公の存在意義があまり感じられない点(真相究明のほとんどをサブキャラが担当したことや贖罪なのに行動力の乏しさなど)や、このストーリーの導入に至るまでの動機の弱さや主人公の過去が説明不足な点などに若干ながら物足りなさが否めないところ。俺様理論で恐縮ですが、七七か冬史が主人公だった方がよかったのではないかと。だって存在感があまりに薄すぎなんだよもん。少し無粋な話になりますが、もし「瀬戸口連也」氏がこのブランドでシナリオを書いていたら、どんなにすごい作品が出来てしまうんだろうなどと妄想に浸っていたら、つい悶絶してしまいましたよ。ハァハァ。
巧妙な伏線とその回収については掛け値なしに満足しましたが、キャラクターの真理描写という点が若干弱いかなという印象。プレイ中の高揚感については『SWANSONG』の領域まで到達しませんでしたが、十分に堪能しました。血や肉片、とか手とか足とか首とか眼球をくりぬかれた死体といったグロくて残虐な描写がバンバン登場しますが、猟奇鬱耐性がついているせいかいたって平気でした。それにしても、よくもまぁこの作品をコンシューマー移植して発売したもんだ。C†C以上にしてはいけない作品ではないかと。いやはや。
俺的ベストキャラは、文句無しに主人公の妹の高城七七。ここまで陶酔しそうなほど魅力を感じたキャラは久しぶり。まさに"理性の怪物"と呼ぶに相応しい存在。

で、作品云々ではなく別のところで少し気になることが。少し生臭い話になってしまうので、"続きを読む"にて。


細かい話さておき、下記のURLを見てもらえれば話は早いかなと。
http://grev.g.hatena.ne.jp/keyword/%e6%9d%89%e6%9c%ac%e6%99%83%e5%bf%97%e9%83%8e%e3%81%93%e3%81%a8%e6%9c%ac%e5%90%8d%e3%83%bb%e6%8e%98%e6%b1%9f%e6%ba%80%e6%b0%8f
http://www.rondan.co.jp/html/mail/0405/040524-1.html
http://s03.2log.net/home/yosaba/archives/blog1446.html
http://blog.shard.jp/hgame/article/62089.html
http://d.hatena.ne.jp/Su-37/20050725

これら以外にも、ネット始めたばかりの頃にとあるサイトに入り浸っていたのですが、そこに「杉本晃志郎」氏こと「掘江満」氏が頻繁に出入りしていた経緯があり、正直あまり良い印象を抱いていなかったので、微妙に複雑な心境だったりします。ちなみに新作『PP-ピアニッシモ- 操リ人形ノ輪舞』では、"杉本晃志郎"から"杉本晃志朗"に改名。まぁ理由は想像に難くないかと。おかげで、グーグルで1件も引っかからなくなりましたね。

一方的かつ勝手にわだかまりを持っているとはいえ、作品のクオリティには脱帽してしまっただけに、今後も注目していきたいブランド。