『人類は衰退しました』感想的なもの

長文必至。しかも肝心の内容についてはあまり触れていない気がする。。
正直、かなり人を選ぶネタ内容だと思われるので、健全な信者の方はスルー推奨で。


えーと、まず田中ロミオ関連の専用サイトを製作してしまう(していた?)ほど、ロミオ作品に(上辺だけ?)傾倒している小生なだけに、以下の文章は信者補正が付与されていることを前提に見ていただけますと幸いです。
ということで、ねんがんのラノベデビュー作である『人類は衰退しました』については無条件全肯定させてもらいます!全俺が震撼!全米を敵に回してでも買うべき!などと、毎度の事ながら、狼少年のごとく『ABANDONER』での推薦する根拠に乏しい煽り帯ネタをおば。
たとえ戦場(キリングフィールド)が変わったとしても、ロミオはやっぱりロミオ。ラノベフィールドでも十分通用すると感じましたし、戦い抜くことが出来るのではないでしょうか。ただし、このななついろの変化球が通用するまででないかとも思いましたが。。*1
少しでも興味を抱いたのであれば、試しに購入してみる価値は十二分にあります。エロゲとは違い、比較的安価でかつお気軽お手軽に購入することが出来るだけに、ストロングな金剛に推薦させてもらいます。おとなもこどももおねーさんもマストバーイ!!


読了してまず初めに頭を過ぎったのは、多くの労力と時間がかかり、あまつさえブランド側の大人の事情により未成熟かつ中途半端で不本意な形でも世に出されてしまうエロゲよりも、他のスケジュールやしがらみに影響されることなく、比較的短期間でかつ定期的にロミオテキストを堪能出来るのであれば、エロゲシナリオライターとしてではなく、作家の筆力が作品のクオリティに顕著に現れて評価されるラノベ作家としての道を模索するのもそれはそれでアリっちゃアリなのではないかと、そんな風に考えていた時期が俺にもありました。イマまさにそうだったりするのですが。とまぁ、そんなことをいつつも、あくまでロミオテキストのみを堪能するという観点のみで語った場合であり、実際は、グラフィック、サウンド、テキスト、ボイス、システムの各専門要素が混ざり合うことで発生しうるケミストリーから感じられるカタルシスに優るものではありませんが。いやはや。だからこそ、オクルを早く!もっと早く!ハリー!ハリーィ!ハリーィィィィィィィッ!!・・・おっと屈折約2年間もオアズケを喰らい続けているせいか、我慢出来ずに脱線してしまいました。うっかりうっかり。では、衰退の話題に戻します。いやはや。


同作品を読んでいて、黒い真綿でジワジワと締め付けてくるような、あいかわらずな素敵センテンス。この酩酊感や多幸感をもらたらしてくれる依存性の高いナチュラルドラッグのようなロミオ成分にとことん飢えていたんだなと実感させられました。ある意味、スリーパーホールド落ちたり、ランナーズハイで気持ちよくなるのと同じ状況のような気がしないでもない。
淡々と時が進む穏やかな薄いゼリー状の膜が張ったような、人類が滅亡しかけているというのに緊張感皆無でメタボリックなビールっ腹のような緩みきった世界観(衰退ということで、既に諦めの境地だったりするのかもしれませんが)と、とことん我が道を行く(逝く?)マイペースな各登場人物達。嫌いではないです。むしろ好きです。頭に大が付いてしまうほどに。PBMやエロゲ畑で培った妖精さん達とのアレゲな会話はさることながら、おじいさんとのデタラメな会話や寮母との闘争劇もホント実に自分好み。「限りなく駄目思考だなぁ。」などと微笑ましくもニヤニヤしながら読み耽ってしまいました。
ですが、あまりにも淡々と進み過ぎているため、次第にもっとエロゲナイズに暴走してもいいんジャマイカと寸止め中折れ状態にやや不満を抱きつつも、おっかなびっくりしながら暗闇の中を手探りで模索しながら進まれているのではないかとも思うように。もしかすると、はじめてのらいとのべる(略して、はじらい)ということで、少し緊張されていたのかもしれません。
とはいえ、中盤〜後半にかけては大分テンションが上がってきたのか、ロミオ氏が本来持つ黒い毒素的なモノも感じさせるようになって、衰退が持つ世界にダイブさせられて、一気に読ませるだけの爽快感がありました。没頭し過ぎて私、お国がわからなくなっちゃうッ!!ただ、各エロゲ作品や餓弄伝といったよりこくまろ濃厚なロミオ成分を経験している末期症状な身としては、やや物足りなさが否めなかったのも嘘偽りの無い事実。どうしても、エスプリの効いたむしろ効きすぎた劇薬「読んだら死ぬで」的な暴走に期待してしまうのは私だけでしょうか。。ですが、この微妙な物足りなさが作品を破綻させることなく万人から受け入れられやすいように成立させているのだと好意的に捉えました。『おたま☆まっしぐら』や『CROSS†CHANNEL』のような、ナタや斧でバッサリと切り付けられる感覚ではなく、カミソリやアイスピックなどで傷付けるような感覚でしょうか。


そんな「田中ロミオ」氏の持つちょっぴり黒くシニカルで豊富な語彙と裏付けられた確かな知識から繰り出される刺激を得た時の快感は、他の作家からは絶対に得ることの出来ない稀有なものだと信じてやみません(とはいえ、偉そうに言えるほど多くの作家の作品を読んでいませんが)。同作は、そんなロミオ氏に心と魂を陵辱の限りを尽くし、ちょーきょーされてあなたに全てを捧げますな信者のみならず、「田中ロミオ」の名を初めて聞いたロミオ処女童貞の方々も情欲をもよおして、ロミオメイデンフィルターを突き破って鮮血の徒花が咲き誇っていただけるであろう作品に仕上がっていました。
もし衰退を読んだことをキッカケとして、エロゲという暗くいやーんな世界に片足を突っ込んでいただけたら、それは嬉しいんだ。すごく。起こそうぜ!エロゲー文化大革命を!エロゲの世界は…あなたが思うより、ちょっとだけ、優しいよ?アタシには、あんたを連れて行く覚悟がある。アンタがその気なら、一緒に見に行く準備がある。最低な場所の、最高の景色を。ということで、堕落する準備はOK?


そして、日本の正しいブロガーは、閲覧者の嫌がるコトは書かない決まりなんだよね!っと言いたいのですが、一つだけ。俺様理論で恐縮ですが、同作のことを受け入れられないと言っている方々は、『神樹の館』〜『最果てのイマ』以降、ロミオ作品に対して求める方向性が自分と乖離したペダンチスムな方々なのではないかと強く感じてしまいました。
荒れるのを覚悟の上でこの場を借りて言わせていただきマスト、イマ発売以降、ロミオ作品に対して「イマや神樹の楽しさを理解出来ないヤツはいと哀れ。」*2などと優越感に浸って選民意識を抱いたりして(これらの方々は、ラウド・マイノリティーだと信じて止まないですが。。)、ライトユーザーを受け入れようとせずに駆逐したり、他の作品やクリエイターを陥れてまでロミオ氏を過剰なまでに賛美する風潮が一部でまかりとおっている現状が、殺意プリ芽生えてしまいそうなほど切なさゲージがMAXに近い状態だったりするのですよ。何かを誉めるため他の何かを貶めることしかできぬ者は、全て暗愚なブタである。貴様の居場所は天になく地になくただ獄の内にのみあるのです。
きっとこの衰退をキッカケにして、新規のファンを獲得されるのではないかと思うだけに、同じロミオファンという志を持つ同士が忌み嫌い合いながらけんか雲を発生させるのではなく、受け入れる状況を作り出して、仲良く手を取り合って堕ちていくですぅ。まぁなんつうか肩肘張らずに享楽的にワイワイとやれれば(*れば!?)別にどーでもいいんですがってウチの豪腕美女秘書が言ってた。まぁもしツッこまれたとしても「記憶にございませんですぅ。」の答弁で押し通し気マンマソな次第ですので、あしからずご了承くださいませ。とまぁ上辺だけの奇麗事っぽいことを言いつつも、ずっと応援し続けてたインディーズバンドがメジャーデビューしてしまうような一抹の寂しさが無いことも無いっちゃ無いんですが。いやはや、なんとも微妙な心境。


あとこの作品ってラノベではないでしょ。・・・私の知ってるラノベはこんなのじゃなかった。ゴスロリ幼女もツンデレ金髪ツインテールも毎日起こし来てくれる幼馴染も登校途中にパンを咥えて走ってくる強気娘もメガネの天然巨乳も清楚な淫乱黒髪和服お嬢様もデコないいんちょもマルチなメカも出てこない。学園異能でもなくセカイ系でもなく。言うなれば、児童文学の威を借るラノベ的な何か。よくわからんちんですが、作家性異端劇とでも評しておきますか。テケトーに。
まだまだ確信犯的未消化な複線もてんこもりですし、あとがきにも「まだだ、まだ終わらんよもうちょっとだけ続くぞい!」と書かれていただけに、続刊が店頭に並ぶその日をパンを焼きながら待ち焦がれようと思います。もちろんロミオ信者の正装である全裸ネクタイで!


最後に、雨後のたけのこのごとく群雄割拠に乱立しているラノベレーベルからあえてガガガ文庫からデビューしたのは、"小学"館だったからなのではないかと強い疑惑を抱いている次第であります。あと、そういえば、ロミオ作品のお約束的な、生理とボウガンネタが無かったデスネ。"カリスマ"とか、ままならねー"とか"ダンボールハウス"とか"深窓のご令嬢戦略"とかはありましたが。


最終的にはなよくわからない内容となってしまいましたが、以上ということで。からまつさまでした。
つまりお前は何を言いたいんだかといいますと「YOU買っちゃいなよ!」ということです。


正直、すんげー疲れた。もうゴールしていいよね。。

*1:ただ、このロミオ氏にしか投げることの出来ない独自の変化球に魅了されて、特定の層から熱烈支援されることで安定すると思いますが、大衆ウケするほど突き抜けたものが無いという感じ。永遠のマイノリティ。だが、それがいい

*2:戦争編まではホント凄く面白かったんだけどなぁ。。